東京地方裁判所 昭和43年(ワ)9535号 判決
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〔判決理由〕二、そこで次に被告東京都の責任の有無について判断する。<証拠>によると、次の事実が認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。
被告東海組は貨物自動車運送事業(東京都営清掃事業請負)およびこれに附帯する一切の事業を目的として設立された会社であること、被告東京都と被告東海組とは別紙のとおりの継続的な契約を締結していること、被告東海組は、東京都港区、財団法人東京都環境整備事業協会などからもごみ運搬にあたつていること、被告佐藤は前記約定にもとづきごみを約0.7トン位積んで被告車を運行中本件事故を起したこと
以上のとおりであつて、右事実によると、被告東海組は、被告東京都の清掃事業の請負業務を行なうために設立されたもので、右業務を遂行するにあたつては、被告車を含めて清掃車の型、装備などについても被告東京都の指示する汚物の運搬に必要な設備を整えることが要求され、作業時間、運搬量および運搬先についてもその都度指示を受け、作業内容も検査によつてチェックされ、さらに人員の面においても被告東京都の要請に応じて荷積荷卸夫を派遣し、かつ被告東京都の都合により配車先、供給車数または運搬先を変更されることもあるなど直接間接に被告東京都の指揮監督を受けていたのであるから、本件事故が右下請業務の執行中に生じたものである以上、被告東京都は被告車の運行を支配し、その利益を得ていたものと認められる。
よつて被告東京都もまた被告車を自己のために運行の用に供していたものとして自賠法三条により本件事故によつて生じた原告の損害を賠償責任がある。
被告東京都は清掃法等の法令およびその事業の公共的性格のため細目にわたつて契約を締結しなければならない旨主張するが、これがため被告東京都の被告東海組に対する指揮監督関係に何ら消長を来たすものではない。また、被告東京都が多数の業者にごみの運搬を依頼していること、および同被告の清掃事業全体からみれば、被告東海組の占める割合は少いということも、被告東京都と被告東海組との結びつきが前記のとおりである以上、被告東京都の被告東海組に対する継続的な支配関係を左右するものではない。
さらに前記契約書第一六条によると、被告東海組またはその使用人が運搬中被告東京都または第三者に損害を与えたときは、被告東海組がその損害賠償の責任を負わねばならない旨定められているが、これは被告東京都と被告東海組との内部的取決めであつて第三者に対して効力を有するものではないから、単に右両名の求償関係を示すものにすぎない。
(坂井芳雄 小長光馨一 佐々木一彦)